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ポー川にひかりは満ちるのか・・・


エルマンノ・オルミ監督の「ポー川のひかり」は「木靴の樹」以来30年ぶりの長編ということです。
私は「木靴の樹」は実は観てないので、一緒に上映しようと思ったのですが、
すでに放映権は期限切れで、更新もされていないとのことです。
つまり、日本では映画はもちろん、DVDもない、ということなのです。
残念ですね。

当館がオープンしてすぐの頃、「明日へのチケット」という映画で、
アッバス・キアロスタミ、ケン・ローチ、そしてエルマンノ・オルミの
3人の監督のコラボレーションによる作品を上映しました。
オルミ監督の作品は、一番最初のエピソードで、
初老の大学教授が、オーストリアからローマに帰る飛行機が欠航になり、
やむなく列車で帰ることになる。駅でその切符の手配をしてくれた女性から
チケットを受け取ることになるが、
喧騒の駅でのつかの間、わずかな会話の中で、彼女の知性と美しさに魅了され、
一人列車の中で彼女に思い馳せる・・・という情緒あふれるものだった。
私はこの部分が一番好きでしたね。

あるお客様から、「こんなものがあった」と『木靴の樹』のパンフを見せていただいた。
普通の貧しい人たちがそのまま出ているようで、まるで、ドキュメンタリー作品のような
映画だったとその方はおっしゃっていた。

そういえば、『ポー川のひかり』に出て来る、村の人々も本当にそこに住んでいる人たちかもしれない。

キリスト教の教えと人間が得た膨大な知識は、人間を本当に豊かにしたのか・・・
という深遠で野心的なテーマである映画です。
が、キリストさんと呼ばれるようになった、実は高名な哲学教授が、
すべてを捨て、川べりの朽ちた石組みの家に住もうと思ったいきさつは定かではないが、
キリストに似てるからって、そんな男を助けて、家作りまで手伝ってしまう
この村人たちの素朴さと、あけっぴろげで健康そのものの食品店の女性が持つ輝きこそ、
ポー川のひかりそのものだ、と思う。

私のイタリア語の先生に、この映画の話をすると、
(数年イタリア語を習っていますが、ちゃんと聞けた?と言われて
「Un poco・・・」(ちょっとだけ・・)としか言えない自分が情けない)
このポー川というのは、とても問題の多い川なんだそうな。
つまり、近年河岸には多くの工場などができて、汚染がひどく、
公害と環境問題の的になっているそう。
この映画の中でも、開発が進み国有地である場所から、村人が追い出されそうに
なっていましたが、監督にとっては、まさにこの川の状況が、
今の世界の問題の象徴、ということだったのでしょう。

それにしても、ずっとながれているあの音楽が好きですね~。
覚えやすくて、優しいメロディ。
つい鼻歌になってでてきます。
あの音楽だけでも癒される気がしますが、どうでしょうか?

muro









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2009⁄12⁄04(Fri) 17:37   シネマホール | | | ↑Top

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