スポンサーサイト


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。






--⁄--⁄--(--) --:--   スポンサー広告 | | | ↑Top
金子教授の映画学入門17


静謐なる映画の三本 その1
今フォルッア総曲輪では、上質な映画が続けて上映されているので紹介したい。

第一は韓国映画「牛の鈴音」
監督が老夫婦の生活に寄り添い、完成したドキュメンタリー映画の秀作。

映画の題字を担当した俳優の菅原文太は、
「胸に響く牛の鈴音。
悲しみが通り過ぎると、涼風が胸に残った」と述べている。

農家を営む79歳のチェさん、長年一緒に働いてきた耕作牛はなんと40年も生きている。
チェさんは妻と二人暮らしだが、農作業を休む事はない。
苦労は絶えず、妻に悪態をつかれる毎日。

老夫婦と老牛だけの生活を映画は淡々と映し出すのだが、心に残る映像が随所にある。

夕焼けや朝焼けに浮かぶ牛とともに自然に溶け込む姿の美しさに息を呑んだ。

老牛は老妻からは邪魔者扱いされるが、
チェさんにとっては長年連れ添った妻以上の分身である。

牛のえさのために効率は悪くても農薬を使わない稲作は重労働だ。
牛も年とつたがチェさんの体もボロボロ。

ついに牛は売られることになる。
その朝、牛の眼から涙が流れる。
言葉は話さなくてもわかっているのだ。
牛の悲しみが伝わるシーンである。

売値か折り合わず、家に戻ってくることになる。
妻ももう売れとは云わない。

牛の肌もボロボロ、
足もひきずるようになりながらも
毎日チェさんと薪運び。
歩いている人が牛を追い越すようなゆっくりした足取りだ。

ある朝、ついに足が立たなくなる。
チェさんは何十年もつないできた牛の鼻輪をきり、
首の鈴もはずす。
やりきったというように牛が静か眼を閉じる。

それまで悪態をついてきたおばあさんが、
「韓国一の牛だった。なくなった後も私たちか困らないように働いた」と涙する。
カメラは家のまわりに垣根のように積み上げられた木の束を映し出す。
心に残るシーンだ。

韓国では記録的な観客動員となったドキュメンタリー映画、
日本ではどうだろうか。
心落ち着かぬ日常だからこそ、こういう映画を見に足を運んでほしい。
観た人の心に深く残る映画のひとつとなると確信している。

次回は現在フォルッア総曲輪で6/4まで上映されている
バレードキュメンタリー映画「パリオペラ座のすべて」
「ベジャール、そしてバレエはつづく」を取り上げたい。
お勧めである。
-----------------------------*******
金子 幸代 http://160.26.62.22/hibun/kaneko/
------------------------ーー ********
スポンサーサイト






2010⁄05⁄24(Mon) 20:17   未分類 | | | ↑Top

| HOME |

プロフィール

forzasogawa

Author:forzasogawa
FC2ブログへようこそ!

最近のコメント

最近のトラックバック

ブログ内検索

リンク

ブロとも申請フォーム

↑Top



Copyright © 2018 フォルツァ総曲輪日記. All Rights Reserved.

 Template by nekonomimige Photo by Encyclorecorder
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。